心にのこる風景 猫の駅長さん「貴志駅」


友人が企画してくれたツーリングの旅。

和歌山県の「紀ノ川フルーツライン」を走り終えた後、次に立ち寄ったのは「駅」だった。

 

えっ? 駅に行くの? 何故に駅?

 

思わず尋ねた。

 

"どこの駅に行くの?"

 

"猫の駅長さんがいる駅だよ"

 

"猫? ん~ 知らないなぁ~ よく探したね~"

 


 

その「駅」とやらは、「紀ノ川フルーツライン」の終点と今晩宿泊する温泉旅館との間くらいに位置するらしい。

何だかミステリーツアーに参加している気分だ。

 

友人の後ろを走りながら、色々と考えていた。

 

自分は小中学生の頃は、今でいうところの鉄道オタクだった。

一番好きだったのは近鉄、家から近かったのは名鉄や国鉄、国鉄がJRに変わった1987年(昭和62年)の「国鉄分割民営化」のお祭り騒ぎは今でもよく覚えている。

当時は名古屋駅まで通って、写真を撮ったり、グッズを買ったり、切符を買ったりしていたものだ。

 

先日、部屋の整理をしていたら、無くしたと思われていた当時の箱が発掘された!

それはまるで玉手箱のようだった。

そっと開けると、収集していた鉄道グッズがぎっしりと詰まっていた。

うわぁ 懐かしい~!

切符も出てきた。当時の厚紙で出来たタイプだ。

 

2020年、映画「鬼滅の刃」の劇中に登場した無限列車の切符が紙だったので、そのとき子供に昔の切符を見せてあげよう思っていたのだが、箱が見つからなかったのだ。

 

あれだけ家中を探しても見つからなかった箱が出てきた時はとても嬉しかった。

 

いまでは交通系ICカード(名古屋なのでTOICAとmanacaの2枚だけ持っている)が主流の時代だが、やっぱり昔の切符はなんだか味がありますねぇ~。

 


 

そうこう思考を巡らせてるうちに、小さな駅舎に到着した。

 

「貴志駅」

 

駅舎の外観が、なんだか猫のあたま?のようだぞ・・・

 

とっても小さな駅なのに、なんだか人だかりで賑わっている。

 

しかも外国人の観光客?が多い感じだ。

 

ここは観光名所なのか?

 


■貴志駅(和歌山電鐵 貴志線)


 

駅舎を覗くと、ホントに猫の駅長さんが居た~!

 

ん~ 可愛いらしい表情をしているなぁ~

 

落ち着いた雰囲気で、ほんわかしていて、なんだか癒されます。

 

 

駅構内にはお洒落なカフェやお土産ショップが併設されている。

 

おぉぉ~ 何かイイじゃん! この駅!

 

妙にテンションが上がってしまった。

 

 

ねこ駅長さんに挨拶を済ませ、プラットホームに駆け上がる。

 

本日は木曜日なので、ねこ駅長さんはGOTAMA(ごたま)ちゃんらしい。

貴志川線 ふく駅長さんだ。

 

ウルトラ駅長(貴志駅長)のNITAMA(ニタマ)ちゃんは休養中みたいだ。

 

 

ホームに上がって左手を見ると先は行き止まりになっていた

 

どうやらここが終着駅のようだ。

 

 

なんだか昔の駅の香りがするなぁ。

 

落ち着いた感じがあり、とてもいい雰囲気だ。

 

鉄道好きだった子供の頃の懐かしさが込み上げてくる。

 

 

ここから先の和歌山方面は単線になっているようだ。

 

停車していた車両には「和歌山電鐵」の名が入っていた。

 

ここでようやく、和歌山電鐵の貴志川線「貴志駅」ということが判明した。

 

ホームの一番奥まで足を運ぶと、御祭神の「たま大明神」が祀られていた。

 


 

御祭神「たま大明」

 

由緒沿革

 

たま神社に鎮座されている「たま大明神」は、平成27年(2015年)6月22日に亡くなった「たま駅長」が同年8月11日、大国主命のもとで「たま神社」の宮開きの神事を執り行い、御祭神として祀られた神様です。

 

「たま駅長」は、貴志駅の隣のお店のご主人に飼われていた三毛猫でしたが、業績不振で廃線の危機にあった貴志川線が和歌山電鐵として再生されることになった平成18年(2006年)4月1日、和歌山電鐵の社長へ「公道に置いていた猫の住処が撤去されるため貴志駅に住まわせてほしい」との飼い主からの懇願を発端に誕生しました。

 

 

社長は、三毛猫の「たま」を一目見て、「たま」が「何でもするから駅に住まわせて」と言っていると感じて、平成19年(2007年)1月5日に貴志駅長として採用しました。

 

「たま」は駅長になるや、駅長帽を被り、自ら改札台でお客様のお見送りとお出迎え、プラットホームの安全確認などに毎日励み、その仕事ぶりが日本国内外のお客様に感動を与えて、瞬く間に和歌山電鐵の名を日本のみならず世界中に知らしめることになりました。

 

その目ざましい働きから課長格の「スーパー駅長」、執行役員格の「ウルトラ駅長」、ついには社長代理まで務め、亡くなった際は生前の多大な功績を鑑みて和歌山電鐵で神事による社葬(6月28日執行)を執り行いました。

 

今も「名誉永久駅長」として「たま神社」から和歌山電鐵を見守ってくれています。

 

 

この「たま駅長」のまさに「神様から地方鉄道の救世主として遣わされた」かのような信じられない大活躍で、和歌山電鐵の再生だけでなく和歌山県の観光客誘致にも大きく貢献したことが認められて和歌山県の初代「勲功爵」、後年には「観光招き大明神」の称号も授与され、現在は和歌山県の「和歌山殿堂」の第一号として殿堂入りを果たしています。

 

御神徳

 

・たま駅長を通じて稀有なご縁で結ばれた「縁結び」

・再生が上手く行った「商売繁盛」

・駅長から社長代理までトントン拍子に出世した「学業成就」「開運出世」

・和歌山電鐵の開業以来ずっと無事故の「安全祈願」

などで特に霊験あらたかと言われています。

 


 

もしも一人旅だったら立ち寄らなかった駅。

 

地図を見ても気付かなかった駅。

 

自分では見つけられなかった駅。

 

とても興味深い、猫の駅長さんがいる「貴志駅」に連れてきてくれた友人に感謝したい。

 

ありがとう!

 


■ちょっと寄り道・・・「高野山」と「高野龍神スカイライン」へ

■ちょっと寄り道・・・「紀ノ川フルーツライン」へ


旅のはじまりはモーターサイクル。

 

自由への扉をひらこう。