記憶にのこるワインディング「高野龍神スカイライン」


「高野龍神スカイライン」は、和歌山県と奈良県の県境を走る関西屈指のワインディングであり、1000m級の峰々を縦走する尾根上の爽快ルートである。

 


■高野山

標高800mの山上にあり、平安時代のはじめに弘法大師・空海によって開かれた真言密教の宗教都市。

比叡山と並ぶ日本仏教の一大聖地。かつては女人禁制であった。

空海が眠る「奥之院」や真言宗の総本山「金剛峯寺」ほか117の寺院が点在し、壮厳な雰囲気がある。

2004年7月7日に「紀伊山地の霊場と参詣」の一部として、熊野古道や吉野・大峯と共に世界遺産に登録された。

 


■高野龍神スカイライン(国道371号)

霊峰として知られる「高野山」から、和歌山県の最高峰となる護摩壇山を経由し、弘法大師開湯と伝えられる龍神温泉へと続く、全長43kmのロングルート。

ヘアピンの低速コーナーから高速コーナーまで、尾根伝いのアップダウンもあり、ダイナミックな走りを堪能できる。

中間地点には道の駅「ごまさんタワー」があり、タワーの頂上からは紀伊山地の山々が一望できる。

紀州木の国(紀ノ国)の原生林の山中を走る絶景ルートであり、秋の紅葉シーズンはとても美しい。

 

<高野龍神スカイライン>

・区間距離:約43km

・通行料金:無料

・標高  :高野山側 780m~護摩壇山 1372m~龍神温泉側 320m(箕峠930m,笹ノ茶屋峠1200m)

・冬季通行止め:二輪車のみ(12月上旬~3月下旬くらい) 

 


■道の駅 田辺市龍神ごまさんスカイタワー


高野山の「総本山金剛峯寺」を出発した後、「高野龍神スカイライン」に向かった。

 

「高野龍神スカイライン」を走るのは今回で2回目である。

前回は20年以上も昔のことなので、正直、道や景色などは覚えていない・・・

 

フィルム写真を振り返ってみたが、当時の愛機CB1000SFや「ごまさんタワー」は写っているものの日付けは無く、ネガも持っていないので正確な年月さえ分からない。

そういえば当時のフィルムカメラには日付のON-OFF設定というものがあったなぁ~

思わず懐かしさが込み上げてくる。

 

「高野山」に立ち寄っていないことだけは確かだ。

 

今回も特に「高野山」のことは考えていなかったのだが・・・

 

ツーリングの旅を企画してくれた友人と前日の晩に宿泊した温泉旅館で、明日の朝「高野山」に行ってみる?との問いかけがあったのだ。

 

"世界遺産らしいよ~"

 

"へぇ~ 聞いたことがあるような・・・"

 

"あかん、全部見ようと思ったら広すぎるわ"

 

"まじで?"

 

"総本山の金剛峯寺に行ってみる?"

 

"おっ、総本山はいいね~"

 

"金剛峯寺を見るだけでも2~3時間はかかるみたいだよ"

 

"えっ、そんなに?"

 

こんな予備知識も何も持たない状態で「高野山」行くことになったのだ。

 


翌朝、高野街道(国道480号)を上り、大門のT字路を左折した瞬間に、ガラッと空気が変わったのを感じ取った。

 

ん?

この立ち入ってはいけない空間のような感じは・・・

 

これほど多くの寺院が立ち並ぶ様はこれまで見たことが無いぞ・・・

 

この寺院はどこまで続くんだろう・・・

 

この街は一体なんなんだろう・・・

 

自問自答を続けながら道を進んでいった。

 

 

数多の寺院が立ち並ぶなか、「総本山金剛峯寺」がどれだか分からないまま走った。

 

駐車場はどこだろう?

バイクはどこに停められるかな?

 

観光バスが駐車していた大きな駐車場の警備員に尋ねたら、バイクは一番奥に停められるよと教えてくれた。

 

歴史を感じる街並みに、彩られた紅葉がよく似合う。とても美しい!

 

 

それにしても外国人が多い!

 

冗談抜きにして、日本人よりも海外の人達のほうが多いのだ。

平日(金曜日)だからなのか?

世界遺産だからなのか?

これがインバウンド現象なのか?

 

案内表示版で「金剛峯寺」の4文字を探した。

確かにこの街はもの凄く広いぞ!

 

 

ちょうど目の前に「金剛峯寺」の入口があった。

周囲の外国人たちに紛れて階段を登っていく。

 

此処ですか~

 

ふと、目の前のお賽銭箱を見ると、驚いたことにPayPayのステッカーが貼ってあった・・・

 

物は試しだ。

QRコードをかざすと【お気持ちを送る】のボタンが表示された。

金額を設定し、念を込めてボタンを押すと、【取引完了(賽銭等)】の表示が出た。

 

友人が上限値を確認したら何と30万円だった!

お賽銭というよりもお布施ですな~

 

こうゆう時代なのか~と、なんだか不思議な感覚だ。

 

ふと、絵馬掛け所を見てみると、絵馬に書かれている文字が、英語、スペイン語、韓国語、中国語、タイ語、アラビア語、他の言語ではないか!

日本語を探すが中々見当たらない・・・

 

こうゆう時代なのか~とこれまた不思議な感覚だ。

 

ここ最近、友人とのツーリングでは寺院や神宮などにお参りに行くようになった。

 

お互い年齢的なものがあるのだろうか?

 

"おとなのバイク旅"ならぬ"おとなの修学旅行"である。

子供の頃の修学旅行とは違って、大人となった今では非常に感慨深いものがある。

 

旅は学びである。

とても勉強になる。

生涯学び続けるということは大切なことだ。

 

今回の旅を企画してくれたこと、

とても有意義な時間を一緒に過ごせることに感謝したい。

 

 

さて、密教といわれる真言宗の総本山に足を踏み入れた。

 

言葉では表現しにくい深い真理であり秘密の教え(真言密教)を弘法大師・空海(774年~835年)が中国の唐で学び、日本に伝えたとされる。

 

この地で修業を通じ体得し、生きながら悟りを開くのだ。

 

歴史の詰まった文化財や絵画、石庭を存分に鑑賞した。

 

ガイドさんによれば、この石庭の広さ約700坪は日本一とのこと。

以前、京都・龍安寺の石庭は拝観したことがあるが、この静寂に包まれた石庭(蟠龍庭:ばんりゅうてい)には雄龍と雌龍が向かい合い、中央の「奥殿」を見守っていると説明を受けた。

 

暫しの間、ガイドさんと雑談を交わす。こういった会話はとても貴重だ。

 

普段は公開されていない「奥殿」が秋の特別拝観で見ることができたのはタイミングが良かったといえる。

 

それにしても何故?

空海はこの地を選んだのだろう・・・

 

ここは人里離れた、かなりの山奥だ。

それでいながら、此処にだけ一大宗教都市が形成された。

なんとも不思議な場所だ。

 

飛行三鈷杵(ひぎょうさんこしょ)の伝説を知った。

空海が唐から帰国する際、東に向かって三鈷杵を投げたところ、紫の雲に乗って日本に飛び、高野山の松の木に懸かったとされる伝説。

この松は三鈷の松と呼ばれ、この地が密教を広めるのに相応しいと確信し、高野山を開設したとのことだ。

 

悟りの境地か・・・

 

歴史好きや仏教好きな人にとっては、ここ霊峰「高野山」は最高の聖地だろう。

宿坊に宿泊し修業もできるそうだ。

 

すべてを廻ることはできないので、次の目的地に向けて出発だ!

 


 

観光も楽しいが、やはり走りはもっと楽しい!

 

平日とあって交通量は少なく、国道371号に入ると美しい紅葉のワインディング「高野龍神スカイライン」がスタートする。

 

中間地点の道の駅「ごまさんタワー」までの約28kmの区間をペース良く走る。

 

中間地点の「ごまさんタワー」までは基本的に上り勾配となり1000m級の峰々を縦走するため、尾根からの展望は良い。

 

「ごまさんタワー」から先の龍神温泉側までの約15kmの区間は、下り勾配となる。

展望は少なくなるが、中速コーナーが多くなり、リズミカルにコーナーが連続するので楽しい。

 

路面には特有の段差のようなギャップがあるので、下からの突き上げには注意が必要だ。

おかげで腕がパンパンになった。

 

「高野龍神スカイライン」は関西屈指のワインディングとのことだが、近隣の名もなきワインディングはもっと楽しめる。

 

総じて、和歌山県のワインディングは面白い!

 

紀州木の国(紀ノ国)の山中を走るルートは、風景がダイナミックで走り応えがある。

 

道(路面舗装)も整備されていて走りやすく、交通量も少なめだ。

 

河川沿いに造られた快適道は、コーナーの塩梅がとても良い。

 

山中にこのような立派な道路が築造されていることに驚きを隠せない。

 

ここはかつての紀州藩、藩主は紀州徳川家。

世界遺産の「熊野古道」もある。

道に対しての思い入れを強く感じる。

 

次回は是非ともキャンプツーリングで訪れたい地だ。

 


■ちょっと寄り道・・・「紀ノ川フルーツライン」へ

■ちょっと寄り道・・・猫の駅長さんがいる「貴志駅」


旅のはじまりはモーターサイクル。

 

自由への扉をひらこう。