今回は沖縄の世界遺産、琉球王国時代の記憶をいまに伝える「中城城跡」の話しです。
■琉球王国とは・・・
いまから約600年前(1429年)に成立し、約120年前(1879年)までの約450年間にわたり、日本の南西諸島に存在した王制の国のことです。
明治維新により成立した日本政府が1879年に国王を追放し、沖縄県の設置(廃藩置県)が宣言され、琉球王国は滅亡しました。
沖縄の地名の読み方は独特ですね~。
琉球王朝時代から仮名(平仮名)が一般的に使われていましたが、1609年の島津氏の侵攻で薩摩藩が琉球を支配するようになり、漢字の使用が広がり始めました。
検地や集落の名簿など支配に必要な公文書には、日本本土に合わせて漢字表記が必要だったので、
意味を無視して読みだけで漢字を当てる例が多かったとのこと。
漢字を表意文字ではなく表音文字として使ったため、沖縄ならではの独特な地名となりました。

中城村(なかぐすくそん)にある中城城跡(なかぐすくじょうあと)に来ました。
"城"の読み方も色々ありますね~
・しろ
・じょう
・きずき
・ぐすく
"城"を「グスク」と読むことは初めて知りました。
「グスク」は琉球方言で「城」の意味。
琉球にはおよそ300余りのグスクがあったといわれていますが「中城城跡」は太平洋戦争の戦火による被害が少なく、沖縄県内のグスクの中でも最も原型を留めているため、歴史や築城技術を知る上で極めて高い価値を有しています。

「中城城跡」は、中城村と北中城村にまたがり東北と南西にほぼ一直線に伸びた標高150m~170mの石灰岩丘陵上に立地する山城です。
南東側は15m以上の切り立った断崖、北西側は勾配のきつい傾斜面となっているため、守りやすく攻めにくい地に築かれています。

城壁は琉球石灰岩で積まれ、自然の岩石と地形的条件を巧みに生かしながら美しい曲線で構成されいます。

眺望はとても素晴らしく、東側には中城湾や太平洋が望めます。
西側には宜野湾市や東シナ海を見渡すことができます。

見事な切石積みです。
門の周辺では、布積み(豆腐積み)がみられます。
直方体に加工した石を、一段ごとに高さを揃えてブロック状に積み上げることで強固に仕上げています。

こちらは相方積み(亀甲乱積み)が見られます。
石を多角形に加工し、互いに嚙み合うように積まれています。強度と耐久性に富んでいます。

これはジオラマですが、上空から見るとこのようなイメージになります。
6つの郭から成る連郭式の山城です。
2000年12月に「琉球王国のグスク及び関連遺産群」として世界遺産に登録されました。
沖縄本島南部を中心に点在するグスクなどの琉球王国の史跡郡から構成されるユネスコの世界遺産(文化遺産)です。
・今帰仁城跡(なきじんじょうあと)
・座喜味城跡(ざきみじょうあと)
・勝連城跡(かつれんじょうあと)
・中城城跡(なかぐすくじょうあと)
・首里城跡(しゅりじょうあと)
・園比屋武御嶽石門(そのひゃんうたきいしもん)
・玉陵(たまうどぅん)
・識名園(しきなえん)
・斎場御嶽(せーふぁうたき)
■幻のキッチンカー?

中城村を走る国道329号沿いで、偶然見つけたキッチンカーです。
この可愛らしいキッチンカーに思わず吸い寄せられてしまいました。

人気No.1のランチボックス、辛くない「ジャークチキン」です。
「ジャークチキン」はジャマイカのソウルフードだそうです。
複数のスパイスで漬け込んだ鶏肉を焼き上げた料理です。
初めて食べましたが、これは美味い!

"ご飯が売り切れてしまって、お肉しか残ってないけどいい?"
暑いキッチンカーの中で、額に汗を浮かべた笑顔いっぱいのお姉さん。
お肉をタップリ入れてくれました。
その後、何度かこの道を走りましたが、キッチンカーには出逢えませんでした。
「中城城跡」のちょうど南側にあたる、国道329号の「じっそう節歌碑」近くに停まっていましたが、幻のキッチンカー、幻のジャークチキンとなりました。
美味しかったなぁ~ もう一度、食べたいなぁ~。
・城壁から中城湾を望む

旅のはじまりはモーターサイクル。
自由への扉をひらこう。