走り出した瞬間、コースのレイアウトがつぎつぎと頭に浮かんでくる。
国道最高地点2172mの標識が左に見える。用心深く徐々にスピードを落とす。
右直角コーナーに備えてのことだ。右へカーブしながら急な下りに入る。まるでジェットコースターのようだ。
リアホイールが跳ねながら横滑りする。しかしそれを自然に受け取りリアホイールに重心をかけアクセルを開けた。回転計を見る。9800rpmまだ余裕がある。
マシーンを左に寄せる。軽く前後のブレーキをかけ2速へシフトダウン。右肩をクリッピングポイントに向けて柔らかく突き出しながら右へカットイン。得意とする2速コーナーだ。リアタイヤが左へ流れた。
別に気にならない。
右膝でアスファルトを擦りながら徐々にアクセルを開け始める。再びリアがアウトへ流れる。
こんなに気分良く走れるのは久しぶりだと思った。
もう何も考えていなかった。ただコースに従って躰が勝手に反応し、記憶に正確に刻み込まれたラインをトレースしていた。
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